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旧耐震マンションの耐震基準適合審査日記です
今回のマンションは[クイーンハイツ大倉山]です。

クイーンハイツ大倉山

クイーンハイツ大倉山

今回のレポートは「クイーンハイツ大倉山」です。

大倉山と言っても、所在地は港北区師岡町にあります。 依頼主は、川崎に営業店舗を持つ不動産仲介会社のベンハウス様からでした。

ベンハウス様は客付けの仲介会社様で、購入希望のお客様が耐震基準適合証明が欲しいとのこと。 でもこの案件は、旧耐震のマンションなので、基本的には適合証明書は取得できません。 そのためには現行の耐震基準をクリアーする耐震診断書が必要ですから。

そのような理由から、仲介会社様が依頼していた事務所では対応不可のために途方にくれておりました。 依頼の連絡をいただいたのが3月12日で、3月20日とのこと。 あまり時間がありません。

新耐震マンションの審査では書類審査と現地調査のみでOKなので、書類審査に必要な書類さえ用意できれば比較的早く審査を済ませることが出来ますが、旧耐震マンションの場合では、構造設計図を元に耐震診断を実施する必要が有るため、新耐震マンションよりも審査日数がかかるのです。

設計図書(構造図)の閲覧

クイーンハイツ大倉山

旧耐震マンションでは、設計図のデータ(構造図)を元に耐震診断を行います。 この設計図はほとんどの場合一般の方は目にすることはありません。

この設計データ情報は管理組合で保管されていることが一般的です。 今回の物件も、管理組合様が適切に情報の維持管理をされておりました。

このマンションを開発分譲したのが三井不動産で、その管理は竣工当初から系列の三井不動産管理会社で行われてきていました。 そのため、設計図の情報は電子データで管理されていて、当方と管理会社様とのやり取りは電話連絡のみで必要な情報はメールにて提供していただきました。

今物件の場合では、設計データの閲覧につきましてはとてもスムーズに進めることができました。 普通では、あらかじめ設計図の閲覧の承諾を不動産仲介会社様を通していただいた後、当方が現地の管理事務所に出向いて実際の設計図を閲覧させていただき、必要な図面をデジカメで記録して帰社し、そのデータを元に耐震診断を行うのが一般的だからです。

とても先進的な管理を三井不動産様が実行されていましたので、現地事務所にお邪魔することなく審査を進めることができたのです。 とても助かりました。三井不動産の管理会社様、ありがとうございました。

クイーンハイツ大倉山は壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造

クイーンハイツ大倉山

あらかじめ三井不動産様より提供していただきました設計データにより、クイーンハイツ大倉山は壁式構造の中でも、「壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造」であることが判明しました。 

壁式構造の中には二通りあって、一般的によく見られる現地で鉄筋や型枠を組み、現地で生コンを投入して築造する「現場打ち鉄筋コンクリート造」と、クイーンハイツ大倉山のような「壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造」があります。

壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造は、工場であらかじめ板状の大きなコンクリートパネルを作成し、出来たパネルを現地に持ち込んで組み立てていく方式です。

この方式では、工場という管理された環境の中で作成されるのでコンクリートの品質管理が信頼できるとして躯体のコンクリート強度の試験は省くことが可能です。

審査期間があまり無い中で、コンクリート強度試験が不要の物件であったため助かりました、 机上の耐震診断でOKとなりましたから、あとは現地にて躯体の劣化状況を確認して終わりです。 現地確認の結果、さすがに大手の三井不動産の管理でした。 高い管理レベルが維持され、コンクリートの健全性は竣工当初の状態に遜色ないことを確認しました。

ということで、今回も無事に耐震基準適合証明書を決済前にお届けすることが出来ました。
仲介会社のベンハウス様・マンション管理の三井不動産管理会社様、大変お世話になりました。ありがとうございました。



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