イメージ画像

旧耐震マンションの耐震基準審査日記です
今回のマンションは[多摩ニュータウンタウンハウス永山5-21]です。

多摩ニュータウンタウンハウス永山5-21の耐震基準適合審査日記

多摩ニュータウンタウンハウス永山5-21

今回のレポートは、多摩ニュータウン永山五丁目21の旧耐震マンションの適合審査レポートです。 多摩ニュータウンは東京のベッドタウンとして、大規模なニュータウンの草分けとして開発されました。 急激な経済成長に伴う都市圏の人口増加に対処して、多摩のなだらかな丘陵地が住宅供給地として開発されました。 ただ初期のマンションなので旧耐震基準にて築造されている家屋が多いのもこの地域の特徴です。

今回の依頼人は、東京都八王子市で不動産事業を営む「AISHIN住創株式会社」様です。 今まで取引のある適合証明の建築士事務所が、今回の案件は急耐震のために対応できないとのことで途方にくれているときに、当方からの営業活動にてお手伝いをさせていただくことになりました。

このマンションを、「AISHIN住創株式会社」様が法人として購入してフルリノベーションの上で売却される計画だそうで、付加価値として「耐震基準適合証明書」付きで販売しようという戦略だそうです。

住宅を購入しようとする人にとって、住宅ローン減税や不動産取得税減税などは購入の条件になるほど重要な事柄です。 仮にこのマンションが耐震基準適合証明書が付けられないとしたら、購入希望者はとても少なくなるでしょう。  証明書を付けることで、顧客の確保が容易になると同時に、販売価格も高めに設定できるでしょう。メリットは計り知れないものがあります。

構造設計図の閲覧

多摩ニュータウンタウンハウス永山5-21

例によって、旧耐震審査のために設計図書の閲覧から始まります。 あらかじめ「AISHIN住創株式会社」様から閲覧の承諾を管理組合様からいただいておりました。 午前中の管理業実が軌道に乗った10時過ぎにお邪魔しました。 管理の担当の方はとても気持ちよく設計図を閲覧させていただきました。

感光紙を使用した設計図は長い保管期間で少しずつ感光が進み、文字が薄くなってとても読みにくくなっていました。 手振れ等に注意しながら、必要な構造設計図をデジカメにて撮影していきます。 撮影にあたって、クリアーすべき壁式構造の旧耐震での構造基準に注意を払いながら閲覧していきます。 いつもこの瞬間がとてもドキドキするのですね。 前提が崩れることはめったに無いですが、それを確認できたときにはほっとするのです。

今回のマンションは、壁式構造の2階建てのテラスハウス方式の住宅です。 1・2階が使えるほとんど戸建て感覚のコンクリートで出来たマンションです。 普通のマンションに較べれば、とても贅沢なつくりです。 コンクリートで出来た戸建て感覚の長屋という感じでしょうか。

素晴らしい住環境

多摩ニュータウンタウンハウス永山5-21

さて、実際の現地調査です。 2階建ての低層マンションですが、隣棟感覚が十分に確保され、生垣や芝生など緑も豊富に成育したとても清閑な住宅地という感じです。 もちろんプライバシーの確保も並みの戸建てを凌ぐほどです。

外壁には構造クラックやエフロレッセンスが認められず、計画的な長期修繕計画に沿って適切に維持が行われていました。 このマンションはプレキャスト構造ではなく現場打ち構造のために、コンクリート躯体の強度確認が必要です。

強度試験には通常ではPS内部の壁面を利用するのですが、このマンションの場合ではPSが建物本体と一体ではないのでPSでの試験は断念しました。  代わりに実行した場所は、外部の基礎廻りで行うこととしました。 実際の試験結果は、旧耐震の壁式構造のコンクリート強度の基準ラインを十分にクリアーするほどの数字を確認できました。 築40年近くが経過してもコンクリートの健全性はまったく問題ありませんでした。

今回初めて多摩ニュータウンの耐震基準適合証明の審査を手がけることになりましたが、東京とは言え限りなく神奈川に近い東京なので、それほど遠方という感じはしませんでした。 機会があればこれからもこのエリアの審査をさせていただきたいと思います。



疑問なことなどがございましたら、下記からご遠慮なくどうぞ!

     電話からの申込み・お問い合わせは  090-8689-1306
     専用フォームからの申込み・お問い合わせはコチラ



このページの先頭へ