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旧耐震マンションの審査日記です
今回のマンションは[並木1丁目13街区10号棟]です。

並木の紹介をします

並木1丁目13街区10号棟

今回のレポートは、金沢区の並木の旧耐震のマンションです。
まずは並木の紹介から。

並木はもともとは海でした。  光明媚な砂浜を擁する海岸を持つ富岡の遠浅の海を横浜市が埋め立てて作りました。 既存の土地ではなく、まっさらな海を埋め立てるので条件の制約を受けることなく理想的な都市開発になっています。

管理人はこの街を見たとき、公園の中にある理想的なマンションのイメージを受けました。 大規模開発をしたニュータウンは各所でたくさん見てきましたが、これほど素晴らしい環境を見たことがありません。 緑が多く、車道と歩道が完全に分離されていて、小さな子供を育てるには理想的な街です。
そして何よりもうれしいのが高低差がほとんど無くフラットであるということです。 

並木には、今でこそ金沢シーサイドラインが運行されていますが、初期のころは京急富岡から徒歩で
行くか路線バスを使うしかありませんでした。 
悪い言葉では「並木は陸の孤島だ!」などと揶揄されていました。  でも今では新交通システムと
いわれるシーサイドラインが開通し、JR新杉田と京急の金沢文庫に接続していますからとても便利な居住環境です。
シーサイドラインの車窓から満喫できる海と山と街はとてもバラエティに富んでいて、ちょっとしたリゾート気分が
味合えるでしょう。

周辺には「八景島シーパラダイス」や「称名寺」や鳥浜の「アウトレット」、「海の公園」があって、
一年中レジャー客でにぎわっています。でもだからと言って喧騒なわけではありません。それらの施設エリアとは
グリーンベルトによって区画されていますから、とても清閑な住宅環境です。

開発された当初ではとてもトレンディなイメージがあり、ドラマの舞台にもなったことがあります。
でも最近では、ご他聞にもれずに高齢化が進んでいます。 ですがもともと素晴らしい住環境と横浜からは至近な距離に
あることから、今でも高い人気を維持しています。 幼児や小さい子供を持つ若い夫婦の転入もとても多いのですよ。

さて並木の紹介はこのくらいにして本題に入りましょう。

並木1丁目13街区10号棟

並木1丁目13街区10号棟

今回の案件は、並木の一丁目にある13街区10号棟です。

基本的に並木の街は低層が主体で、数は少ないですが高層棟がまばらに配置されています。 10号棟は低層3階建ての壁式鉄筋コンクリート造です。
建築確認日は昭和55年3月12日で、旧耐震のマンションです。
新耐震は、昭和56年6月1日以降の建築確認日の建物です。
なので、基本的にこのマンションは「耐震基準適合証明書」は取得できません。

この案件は、地元に営業店舗を持つ不動産仲介会社様からの依頼でした。
フラット35と耐震基準の適合証明を依頼されました。

並木の低層マンションはほとんどが壁式構造で築造されていますから、旧耐震でも条件付で発行できる可能性があります。
その条件とは、旧耐震のマンションではあるけれど新耐震基準に適合している裏づけを証明する必要が有ります。
その方法は耐震診断です。

耐震診断でも、数百万円がかかるような精密診断ではなく壁式構造に特化した「簡易耐震診断」ですが、
そのためには設計図の構造図を閲覧する必要が有ります。

設計図書は管理組合で保管されていますから、あらかじめ仲介会社様から閲覧の承諾を頂いてもらいました。
事務局の管理人さんに連絡して内容をご説明申し上げ、設計図の内容によってはコンクリート強度試験が必要な旨も
ご了解していただきました。

設計図の閲覧と現地調査

並木1丁目13街区10号棟

この案件は耐震基準適合証明と同時にフラット35の審査も行います。
旧耐震のフラットの場合、住宅金融支援機構の定める耐震基準に適合しなければなりませんが、それは問題なくクリアーしました。
問題は「耐震基準適合証明」の要件が一箇所だけ満たない部分がありました。
この些細な一箇所のために、「既存壁式構造簡易耐震診断」をクリアーできません。

しかし幸いなことに、この管理組合では横浜市の予備診断を受けていて、数値が1.0以上の評価を受けていました。 このエビデンスをもって耐震診断をクリアーすることが出来ました。 この住宅パターンはとても特殊な形式です。
一般的な壁式構造のマンションではほとんどこのようなことはありません。

構造的な診断はクリアーしましたから、あとは躯体のコンクリート強度確認です。
玄関脇のパイプスペース内部の露出したコンクリート面を使います。
実際にそこにあるコンクリート強度を確認しますが、「壁式構造簡易耐震診断」では非破壊試験の方式で行っています。

耐震改修工事の為の調査では、実際のコンクリート片をボーリングにて切削して取り出して巨大な圧縮試験機にかけて
圧壊して強度確認を行いますが、現在居住中のマンションではそのような荒いことはできませんから、建物に優しい「非破壊試験」
で行っています。
使用する機器は「シュミットハンマー」と呼ばれスドイツ製です。
計測された数値は基準値を大幅にクリアーしました。
これにてこの建物の「耐震基準適合証明書」を発行できることになりました。

今回の仲介が医者様と買主様はとても親切に対応してくださいました。
お蔭様で審査はスムーズにこなすことが出来ました。



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